Nikon
株式会社栃木ニコンプレシジョン|Japan

チャンバー内の構造

チャンパー内の構造
ステッパー内のチャンバーは以下のような構造になっています。
チャンバー
露光光源
光には波長帯域によっていろいろな名称が付けられていますが、そのうちNSRシリーズの光源には、g線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどが使用されています。
1980年代は比較的高いパワー(照度)が得られるg線が主流の座についていました。しかし、一般的に露光光の波長が短いほど高解像度が得られることから、90年以降はi線が中心となり、その後KrF、ArFとより短波長の光源を使用するようになりました。
現在ニコンでは、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザの3つのタイプのNSRを市場に供給しており、いろいろなお客様の多様なニーズにきめ細かく対応しています。
露光光源
ウエハステージ
ICをより速く、より多く作るため、ステッパーには高速のステージが要求されます。反面、決められた場所へのパターンの転写をより正確に行うため、ステージには目標位置に対する高い停止精度も要求されます。
NSRのステージ移動最高速度は1秒間で500mm。そして停止時の位置ズレ誤差はわずか0.015μm以内です。これはミリに直すと10万分の1.5mmということ。
これらは単に数字で言うとたったの一言ですが、よく考えてみると、これは大変なことだとお気づきいただけるものと思います。
IC製造の1ショットは一般に25mm角前後。従って、現実には25mm先の目標位置に向かって最高500mm/秒の速さでステージが突っ走り、出発後たった約0.2秒後には停止位置誤差10万分の1.5mm以内の急ストップを繰り返します。文句も言わず昼夜兼行で働き続けるNSR。いかに機械とはいえ、器用で几帳面、そしてまったくタフな奴です。
ウエハローダ
IC製造の大敵は異物の付着など。そのためほとんどの場合、ウエハは1個あたり25枚が収納できる「ウエハキャリア」に入れられ、キャリア単位で取り扱われます。
この敏感なウエハの搬送を、NSR内で一手に引き受けているのが「オートウエハローダ」です。ウエハ入りのキャリアをウエハローダに載せ、あとは制御系ラックのキーボードから指示を送れば、ウエハは自動的にXYステージに向かって出発進行。
キャリアを出たウエハは、途中にある「プリアライメント機構」で大まかなアライメントが行われたあと、ステージ上のウエハホルダへと運ばれ、裏面がホルダに真空吸着で固定されます。
このローダ、なかなか賢く、すべてのウエハはもちろん、オペレータの指示次第でどのウエハでも迅速に出し入れを行います。
用語・その他の説明
スループット
装置の性能や精度はもちろんですが、IC製造で最も大切なことは「スループット」です。スループットとは処理能力のこと。ある時間内に、いかにたくさんの製品が作れるかが装置選択の大きな要素となっているからです。NSRのステージ移動最高速度は1秒間に500mm。500mm/秒というのは余り速い感じがしないかも知れませんが、前述のような高精度を維持しながらの移動の繰り返しですから、これはたいへんなことです。
NSRのスループットは、12インチ径のウエハに25x33mm角のチップを76チップ露光する条件で、1時間にウエハ133枚以上(5点EGA)。ショット数にすると10108ショット、1日ならウエハ3192枚で242592ショットです。
IC製造は土曜も日曜もないフル稼働。単純計算で恐縮ですがNSRは3年間に2億6500万チップ以上の露光を行ない、ステージの稼動距離は6640km以上。ステッパーとは高精度に加え、猛烈な耐久性が要求される装置なのです。
解像度とN.A.
解像度とN.A.  
実用最小線幅をあらわすのがステッパーの解像度。ところで、この解像度、理論的にはどうやって算出するのでしょうか。解像度は「投影レンズの開口数(N.A.)」や「露光波長(λ)」によって大きく左右されます。
もちろんRが小さいほど高解像度。またN.A.が大きいほど、λは小さいほど解像度がアップします。
ちょっと難しくなってしまいますが「N.A.」はレンズの明るさを示す数値で、屈折率nの媒質中にある光軸上に物点が、射出ひとみの半径に対して張る角をθとする時、N.A.はnsinθであらわされます。NSRの場合、露光作業は大気中のため、屈折率nは1。従って、高解像度を得るためにN.A.を大きくするには縮小倍率を大きくしなければなりません。しかし一方、レンズでカバーできる露光範囲が制限されてしまいますので、ステッパーの仕様決定では解像度と露光範囲が生産性の点でつり合う点を見つけることになります。
解像度とライン&スペース
解像度とライン&スペース
写真はNSRで露光・転写し形成したICのレジストパターン断面を、斜め上からSEM(電子走査顕微鏡)で撮影したものです。
ステッパーでいう「解像度」とは、通常、等しい寸法のラインL(パターン)とスペースS(空間)、つまりL=Sの寸法を繰り返し配置したパターンを露光・転写した時の実用最小線幅値で表現されます。従って、実用最小線幅L=S=0.50μmのレンズを解像度0.50μmのレンズと称しています。
一方「解像力」という言葉を耳にしたことがあると思います。さて、こちらの定義はどうなっているのでしょうか。解像力は“光学系が解像できる最も細かい周期的なL/Sの本数”で、単位は“本/mm”です。「度」と「力」の1文字違い。しかし実用可能であることを定義した「解像度」での表現の方がはるかに厳しい規格を示していると言えましょう。
 


© 2017 Tochigi Nikon Precision Co., Ltd.